研究と子どもは、実はとても相性がよい
インタビュー

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東京大学名誉教授・PILO KIDS顧問の羽田正先生に、研究者と子どもたちが出会い、大学に進む前から学問の世界に触れることの意味について伺いました。答えのない問いに向き合い、自分の頭で考え抜く経験は、子どもたちにどのような力をもたらすのでしょうか。PILO KIDSだからこそ実現できる学びの可能性と、これからの教育への期待をお伝えします。
私たちの周りは、不思議と謎に満ちている
「私とは何なのだろう。なぜ今ここでこんなことを考えているのだろう?」 皆さんはこんな疑問を持ったことはありませんか? 答えるのが難しい問いです。私自身だけではありません。私を取り巻く身近な環境と自然、人々が作り出す社会、大地と海で覆われ空気をまとった地球、そして太陽、月、星々が輝く広大な天空。これら様々な物質や事象の成り立ちや仕組み、構造や作用の多くについても、実はよく分かっていません。私たちが「知っている!」と自信を持って言えることは、とても限られています。私たちとその回りは、不思議や謎に満ちています。
研究者が探る、知の最前線
これら無数の不思議や謎を解こうと日々努力しているのが研究者です。彼・彼女たちは、知の探究者として、自分が興味を持った対象に様々な方法でアプローチして理解を深め、ときにはこれまでの常識を覆すような新しい知や手段、方法を生み出します。研究者がそれぞれの研究分野の最先端で発見した新しい知は、やがて既存の体系化された総合的な知のシステムを変容させそこに組み込まれていきます。ほんの少しずつですが、不思議や謎の解明が進んでいるのです。

学校で学ぶ知と、その先にあるもの
現代の日本では、この整理され体系化された知のシステムが、教科、科目に区分され順を追って学校で教えられています。これによって、子どもたちは学校を卒業するときには皆が基本的で標準的な知を獲得することができます。この基本的で標準的な知は、子どもたちが大人になった時に、その思考や行動の手助けとなるでしょう。
しかし、世界と人間社会が急速に変化する現代では、学校で習う整理され体系化された知だけでは必ずしも十分とは言えません。これからの時代を生きる子どもたちには、予想外の新たな事象を見聞したとき、それらをどう自分の脳の知的システムに組み込むか、新たな課題に直面したとき、それらにどう適切に対応するかといった類の未知の問いに、落ち着いて自分で考え抜き独自の答えを出すことが求められます。別の言い方をすると、一人一人に個性や独創性が必要なのです。
未知との出会いが、子どもの思考を育てる
子どもたちがそれまで見たり聞いたり考えたりしたことがなかった何かに出会って興味を持ち、驚き戸惑いながらも自分で考えてその何かを理解しようとする経験を持つことは、そのためにとても有効です。こうした経験を積み重ねることによって、子どもたちの感性は研ぎ澄まされ、思考は柔軟性を増していきます。これは自らの脳に埋め込まれた知の体系をカスタマイズする大事な作業なのです。PILO KIDSの教室で研究者による最先端知についての講義を聞くことは、この作業のための願ってもない貴重な機会です。

キラキラした眼を持つ両者が出会うとき
皆さんは研究者が研究に没頭している時の眼を見たことがありますか? その輝きは、子どもたちのキラキラした眼とそっくりです。どちらも楽しさと好奇心に満ちた眼です。そう、研究と子どもは実はとても相性がよいのです。
PILO KIDSの教室では、一流の研究者が掘り出したばかりの最先端の知という原石を材料に、子どもたちに直接語りかけます。子どもたちは初めて触れた新鮮な知をどう自分のものにしていくのでしょう。一方、先端知を子どもたちに分かるように話すことは、研究者にとって新鮮な経験であるはずです。キラキラした眼を持つ両者が出会い共にこれまでにないことを経験した時、そこに何かとてつもなく素晴らしいことが起きる予感がします。私は他に真似のできないPILO KIDSの新しく大胆で魅力的な挑戦に、子どもの皆さんと一緒に参加できることを楽しみにしています。

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